日本の、地球近傍小惑星監視観測「体制」について
ロシアの隕石落下で、地球に衝突する小惑星(地球近傍小惑星、以後NEA)の監視観測に
注目が集まっていますが、今現在、日本での観測体制についてまとめました。
まず、日本の国家が一番支援している(税金が一番流れている)観測体制は、
JAXA統合追跡ネットワーク技術部が
「スペースデブリと地球近傍小惑星」の観測依頼
↓
一般財団法人日本宇宙フォーラム
(美星スペースガードセンターの観測施設(1m望遠鏡やCCDカメラ)の所有者)
↓
特定非営利活動法人日本スペースガード協会
スペースデブリと地球近傍小惑星の観測を実施
となってます。
重要な点は、
☆日本スペースガード協会独自事業ではないです。むしろ、末端。
とはいえ、国からの支援は多少たりともあるということです。
☆JAXAという大きな組織の事業というよりかは、
その中の1つの部門である、統合追跡ネットワーク技術部の事業です。
☆観測依頼をする組織、観測機器の持つ組織、実際に観測する組織が
それぞれ異なります。
☆スペースデブリとNEAがセットとして扱われています。
☆国際協力はほぼなされていません。
それから、他にも国家が支援しているNEA観測グループはあります。
例えば、
-JAXA/ISAS(あかり衛星などの衛星での観測、共同利用の地上望遠鏡を使った観測)
-JAXA/ISAS(はやぶさでの観測、共同利用の地上望遠鏡を使った観測)
-国立天文台(国内外の地上望遠鏡を使った観測)
-いくつかの大学(国内外の地上望遠鏡を使った観測)
です。
ただし、これらの多くは常時観測しているわけではありません。
現状はこういった観測体制でNEAの監視を行っています。
NEAの監視について、日本国国家として支援は「一応」なされてます。
でも、日本のNEA監視は、アメリカ国内に比べて、だいぶ遅れてますよね?
じゃあ、今の体制にもっと税金を投入しますか?
私は国家としての支援方法は変更すべき時期にきていると思います。
どう変更した方がいいか個人的な提案は次回書きたいと思います。