論文:Francesco &Schonrich "Rotational signature of the Milky Way stellar halo"を読んで
最近話題になっている、銀河系ハローで、
金属量が枯渇していている星達が銀河系回転と逆回転しているorしていない
とかいう論争に関する論文。この論争、まだ決着ついていません。
この論文は「逆回転はしていない」ということを主張してます。
新しいところは、今までの論文よりもいろいろな手法を試したり、
いくつかの異なるサンプルを使ったり、
いろいろな不確定性要素を考慮したりしている点。
筆者らが
・有効温度の高く(Teff>8500K)、かつ金属量の枯渇した水平分枝星の視線速度測定
・分布関数
に言及している点はおもしろいと感じました。
これまでBHB starはtracerとして使いやすいなあ、という印象しかなかったのですが、
ちゃんとcarefullyに扱わないとだめなのですね。
BHB星といってもけっこう温度幅広いので。
Balmer lineのFWHM幅が広がるのはシュタルク効果のようですが、
尖度が変わるのはどんな効果なのでしょう?
ゼーマン効果でしょうか?このあたり、わかる方がいらっしゃったら、
教えて頂きたいです。
分布関数いろいろなのが出てきてますね。
一度、分布関数特集とか組むと、1つの本になってしまうかもしれませんね。
どこかでやってみますかねえ。。。
遠方の星について、速度の一成分しかない時代が、GAIA以後もまだしばらく続くので、
需要ありそうですし。