NASA's FY2014 Asteroid Strategy
http://www.nasa.gov/pdf/740684main_LightfootBudgetPresent0410.pdf
を読んで考えたことをまとめてみます。
一言、NASAさん、すごいっす。
NASAが地球を守るためにやることは、
「地球に接近する7-10mの大きさの小惑星を捕獲して
月周辺の軌道(trans-lunar軌道)に移動させる」
確かに、これをやったところで、
人類への被害の大きさはほとんど変わらないです。
10m以上の小惑星が近づいてきた場合は防げませんから。
そもそも7-10mの大きさの小惑星とは
ロシアに落ちた小惑星の半分以下の大きさですので、
たとえ地球に落ちても人類への被害は
それほど大きくないと考えられます。
しかし、こういった技術が開発され始めることはとても重要です。
やっと人類が地球を守れる時代にやってくるのですから。
NASAさんにはなんとか成功してほしいです。
今年度は、その概念設計の年のようです。
それにしてもtrans-lunar軌道に放りこむというのは斬新です。
自分達以外の人、組織、ものにまで配慮がなされた、
すばらしい発想です。
こう思う理由は、
(1)我々の地球を守るだけでなく、
地球に近づいてきた小惑星も守ることになります
10mくらいの小惑星が地球と衝突すれば
もはや原形をとどめることはできません。
小惑星にとっては死を意味すると思います。
事前にこういったことができれば、
地球だけでなく、地球に近づいてきた小惑星も守ることができます。
To protect our planet
ではなく、
To protect both our planet and the near earth asteroid
ですね。
(2)小惑星の資源を地球に持ち帰りやすくなります
地球に近づく小惑星のほとんどはいつも地球の近くにいるわけではありません。
従って、小惑星の資源を地球に持ち帰るミッションでは、
衛星の打ち上げ時期がかなり制限されてしまいます。
そして、訪れることができる小惑星はせいぜい1個です。
しかし、trans-lunar orbitに放りこむ技術が確立され、
NASAが小惑星をどんどんその軌道に貯めてくれれば、
小惑星はいつでも地球のすぐそばにいることになります。
しかも1個だけではなく、複数個あります。
2030年くらいまでには、月周辺であれば、
それほど高額なお金を使わなくてもいける時代になっているでしょう
(期待を込めて)から、
毎日、小惑星の資源を地球に持ち帰るミッションが行われるように
なっているのかもしれません。
幸い、アメリカでは小惑星の資源を持ち帰ろうとする民間会社が
(Planetary ResourcesやDeep Space Industries)が立ち上がっています。
彼らの動向にも注目です。
Planetary Resources
発表資料 http://www.planetaryresources.com/2012/04/asteroid-mining-plans-revealed-by-planetary-resources-inc/
Deep Space Industries
http://deepspaceindustries.com/
明るい未来が見える計画なので、成功を祈りたいです。