天文台には気象観測機器が設置され、お天気が監視されていますが、
ここ数年でその役割が変わりつつあります。
というのも、研究者の要望が変わりつつあるからです。
[以前の要望]
・望遠鏡のすぐそばに設置された観測室から出ることなく、お天気を把握し、
急激なお天気の変化にも迅速に対処したい
・観測者が健康なまま観測したい
(肉体的にけっこう大変なのです)
・お天気を把握する時間を減らして観測に集中したい。
(観測室から外に出て・・・また観測室へ戻っての移動は大変)
[ここ数年]
・遠隔地からリモート観測したい
・気象データを観測データの質の向上に役立たせたい
(気温がどれくらいとか、水蒸気量はどれくらいとか、
雲がどれくらい入ったといった情報はけっこう役立つのです。)
将来の天文台の気象観測機器はどうなるのでしょうか?
1つの道は
省電力かつ、発電システムと一体化したシステムで
さらにメンテナンスフリーな機器。
今までは人間が観測地に行って観測するのが基本でしたが、
最近はリモート観測ができるようになっているので、
望遠鏡設置場所は(これまではアクセスの問題から避けられていた)僻地に
なるかもしれません。
気象観測機器は設置場所探しによく使われ、最重要ツールの1つです。
このとき、重要パラメーターとなるのが電気。
しかし、僻地ですから、電気が届いていない場合が多いです。
ですから、省電力かつ、発電システムと一体化した機器が望まれます。
こういったシステムは、実際に望遠鏡が設置されてからも役立ちます。
が、トラブルがあってもそのメンテナンスに労力はあまりかけられません。
できればメンテナンスフリーであってほしいです。
もう1つの道は、
高精度(しかし安価)な気象機器。
気象機器の精度が上がれば、観測データの解析にももっと使われるように
なると思います。しかし、高精度なものは高いです。
例えば、中間赤外線機器はよい気象観測機器なのですが、かなり高いです。
これが安価になれば・・・。