マイクロホンアレイで録音し二次元FFTかけると、特定音源のみ聞けるようになるらしい
12/6 【山梨大学 新技術説明会】に行ってきました。
早くモノづくりしてほしいセンサに出会えましたので、紹介します。
今回紹介するのはこちら。
焦点位置からの音のみを収録するスマホサイズのアレイ
(1)原理
①円弧上に並べたマイクロホンアレイで録音
②2次元フフーリエ変換し、時空間音圧分布画像を作成
③雑音の分布をモデル化し、除去
④特定の音源からの音のみ検出
(2)メリット
・欲しい音だけ取得できる(ノイズカット)。
・特定の人同士のコミュニケーションを実現し、次世代SNSに利用できる
・シンプルな解析手法を用いているため、応用が簡単。
(3)課題
・マイクロホンアレイを使って実験していない
私の質問と登壇者の回答
Q.可聴域を若干超えるような帯域(20-40kHz)の音でも
この方法を適用できるのでしょうか
A.原理的にはできる。実際は、音のセンサであるMEMS
をどこまで近づけることができるかがキーとなる。
場合によっては、MEMSを複数列に並べて配置するなど
工夫が必要になるかもしれない。
Q.音源特定の空間分解能はどれくらいでしょうか?
A.理論的には特異点的なふるまいをするので無限。
実際は1度くらいまではいけるだろう。
私の期待
モノが登場するのかな?と思っていましたが、
それがなかったのは個人的にちょっと残念でした。
産業界での利用先としては、
・工場における機械の異音検出
に使えるかな?と思いました。
機械の異音検出は、
現在1個のマイクロホンで拾った音を解析することによって
実施されています。
しかし、欲しい機械の音以外の音がけっこう入ってしまうため、
マイクロホンの設置位置もけっこう重要になります。
そのため、音のデータを解析する前に、
目的とする音がよくとれるよう、
設置位置のトライ&エラーを繰り返しています。
この作業は、ちゃんとやろうとすると、意外と時間がかかります。
本発表の理論を適用すると、この作業の手間が省け、
適当にポンとマイクロホンアレイを設置して、解析するだけで、
データ解析に使える音データを取得できるはず。
いいことづくめです。
また、個人的には、補聴器の代わりになってほしいです。
というのも、 現在の補聴器めちゃくちゃ高いです。
どんなに安くても20万円くらいします。
この先も機能追加していき、どんどん高額になっていくでしょう。
その流れに対して、本発表の手法は独立した立ち位置にあります
(少なくとも技術的には)。
なので、安価な補聴器が到来するかもしれません。
それ以外に、登壇者の発表にもありましたが、
次世代SNSにも使えるかもしれません。
まだまだ理論の域を出ていないですが、
これからどう発展していくのか注目したいです。
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