一生を振り返るほど老け込んでいませんが、
たまにはこういったブログもよいかもと
私自身の研究歴を書いてみました。
学部4年~修士2年までやっていたことは
「銀河団高温プラズマの熱制動放射の相対論的計算」
簡単に言えば、光学的に薄いプラズマからの熱制動放射率を
量子力学や特殊相対論を使って解析的に求めたということです。
あまり簡単になっていません。すみません。
要はゴリゴリ数式をこねくりまわして研究してました。
[学んだこと]
私、高校~大学、そこそこ上下関係が厳しいところで部活やってました。
こういったコミュニティで、立場が上の人が使う言葉は、かなりきついものばかりです。
で、研究者はどうかというと、実は似てます。
きつい言葉を使う人多いです。しかも、言い方も直接的。
師弟関係にある場合はなおさらです。
学士・修士課程時代の担当教官だった伊藤直紀先生も厳しい言葉ばかりでしたし、
博士課程時代の担当教官だった千葉柾司さん(当時国立天文台・総研大、現在東北大)は、
もっとすごいかったです(笑)。
私は、きつい言葉にそこそこ慣れており、
そういった悩みは比較的少なかったので良かったです。
もちろん、きついことを言われた後はストレス発散は必要でしたよ。
ただ、厳しい言葉のとびかう環境に慣れていないと、
ひるんでしまうかもしれません。
あっ、ちなみに、私は相当やさしいので、ご安心ください。
[一大事件]
事件といっても悪い方ではなく、良い方です。
修士のときに、和南城伸也さん(今は国立天文台?)が赴任してきました。
和南城さんは超新星爆発時にrプロセスという過程で行われる元素合成がご専門。
私にとって衝撃的だったのは、
数値シミュレーションの予言を観測データとを比較して、
あ~だ、こ~だ、いろいろ議論していることでした。
私の修士の時代にやったことは、
それまで難しそうな理論を使って数式を出していましたが、
一生懸命出した数式は、
望遠鏡で観測された天体の形成進化、あるいは天文現象を
理解するのにはほとんど役に立っていませんでした。
一方、数値シミュレーションをして理論的予測をし、
それを観測データに向かい合わせ、
理論が合っているか否か議論している分野があることに気づき、
衝撃を覚えました。
もちろん、天文学を研究する上では、
数式だけをゴリゴリ扱う分野も、
観測データと理論を比較する分野も、
それ以外に、観測機器の装置開発やシミュレーションコードの開発する分野など、
いろいろな分野全てが重要です。
ただ、修士の時代、魅力を感じつつあったのは、
観測データと理論を比較する分野でした。
博士課程は
観測データと理論を比較する分野で
研究しようと考えてました。
で、この後、
数式だけをゴリゴリ扱う分野に別れを告げ、
観測データと理論を比較する分野にいく
こととなります。